31.12.11

2011's Albums & Singles Best 10

2011's Albums Best 10


No.01 Clare Maguire - Light After Dark
No.02 The Saturdays - On Your Radar
No.03 Cher Lloyd - Sticks + Stones
No.04 Lady Gaga - Born This Way
No.05 Britney Spears - Femme Fatale
No.06 Florence + The Machine - Ceremonials
No.07 Sophie Ellis-Bextor - Make A Scene
No.08 Jennifer Lopez - Love?
No.09 Nicola Roberts - Cinderella's Eyes
No.10 Natalia Kills - Perfectionist

次点
Foster The People - Torches
Frankmusik - Do It In The AM
Rihanna - Talk That Talk

特別賞
Marina and the Diamonds - The Family Jewels


2011's Singles Best 10


No.01 The Saturdays - All Fired Up
No.02 Clare Maguire - The Last Dance
No 03 Nicola Roberts - Beat of My Drum
No.04 The Saturdays - My Heart Takes Over
No.05 Nicola Roberts - Lucky Day
No.06 Alexis Jordan - Good Girl
No.07 Sophie Ellis-Bextor - Starlight
No.08 The Saturdays - Notorious
No.09 Lady Gaga - Judas
No.10 Avril Lavigne - What The Hell

次点
Beyoncé - Run The World (Girls)
Cobra Starship (feat. Sabi) - You Make Me Feel...
Nicki Minaj - Super Bass

特別賞
Pixie Lott - Kiss The Stars

23.12.11

The Saturdays - On Your Radar


01. All Fired Up
02. Notorious
03. Faster
04. My Heart Takes Over
05. Get Ready, Get Set
06. The Way You Watch Me (Feat. Travie McCoy)
07. For Myself
08. Do What You Want With Me
09. Promise Me
10. Wish I Didn't Know
11. White Lies
12. Last Call
13. I Say OK *
14. Move On U *

昨年、まさかのミニアルバム発表&チープなアートワークで全英を震撼させたUKの人気ガールズグループ、The Saturdaysのニューアルバムが登場。フルアルバムとしては前作「Wordshaker」から2年1か月ぶりの新作となります。The Saturdaysと言えば、今現在英国でデビューしているガールズグループの中では完全に独り勝ち状態だなんて言われてますが、SugababesやGirls Aloudらが実質活動休止状態になってる今、彼女らも根強く生き残ってますよね。しかしこのアルバム、全然売れてないみたいで(初登場23位)、シングルがそこそこ好成績だった割には、ちょっとセールス不振気味なのが気になるかな......。これで解散だったり活動休止だなんてしなきゃいいんだけど。何とか人気を取り戻してほしい所ですね。ちなみに私の一押しメンバーはUna様ことUna Healy(ジャケ写左から2番目)。元々、地元アイルランドでシンガーソングライターとして地道に活動していた所、もっとキャリアを積むために単身ロンドンへと向かい、そこでThe Saturdaysのオーディションを受けたそうな。メンバー最年長の彼女は特徴的なハスキーヴォイスの持ち主で、メインで歌ってるVanessaみたいな高い声量があるわけではないけど、良い意味で味があってソロパートも多いです。クールでどこかアンニュイなルックスと姉御肌なキャラのギャップも好きw。そう言えば最近、妊娠&結婚を発表しましたねー。今のところ、脱退せずにその後もグループとして活動するみたいなので、頑張って欲しいです。

1stシングルは5月にリリースされた「Notorious」。オートチューン仕様のヴォーカルにファミコンばりのピコピコ電子音のウワモノ、そしてドカドカした変則的なビートをベースにしたかなり実験的なエレクトロチューンで、今までの彼女らにはなかったエレクトロ/ハウス色の強い楽曲。あまりにも今までと路線が違っていたんで、初めて聴いた時かなりビックリしました。しかし、意外とメロがドラマティックだったり、緩急の効いた展開があったりと、一見地味ながら中々凝った曲だと思います。個人的にスルメですね。最初はピンと来なかったけど、何度も聴けば良さが分かってくるという。2ndシングルは、「Notorious」の延長線上でありながら、さらにアップデートさせたかのような完全クラブ仕様のハイエナジーダンスチューン「All Fired Up」。これは「Notorious」以上にファンの度肝を抜かしたんじゃないでしょうか?とにかくカッコいい曲!!この曲は初聴きの時点で一発で気にいりました。というかSatsの曲の中で一番好きかも。ヴォーカルの方も、もう誰がどのパートを歌ってるか分からないくらい声が加工されてるんですが、その無機質さが逆に良いです。ちなみにこの曲、SugababesやGirls Aloudら先輩アイドルにも楽曲提供していたBrian Higgins率いるプロデュースチームXenomaniaがプロデュースを手掛けていて、しばらく名前を見なかったんですが、最近ちらほらとUKアーティストの楽曲クレジットに名を連ねている模様。3rdシングルは、全2曲と打って変わって彼女らの「歌」を全面に押し出した爽やかなミディアムバラード「My Heart Takes Over」。この曲はエレクトロ/ハウス色の強かった前2曲と比べると、従来のSatsらしさが合って、安心して聴ける好曲ですね。個人的に彼女らのバラード曲の中でかなり気に入ってます。

そしてアルバムの中身はと言うと、シングル曲のイメージに違わず、エレクトロ/ハウス色を前面に押し出した楽曲が多く、突き抜けるようなメロディーとサウンドが爽快なダンスチューン「Faster」、サビメロでUna様の甘くセクシーなヴォーカルが聴けるXenomaniaプロデュースのアゲアゲダンスチューン「Get Ready, Get Set」、ちょいロッキッシュな哀愁ダンスチューン「For Myself」、ダブステップから途中でドラムンベースに転調するまさにUKならではの「Do What You Want With Me」、Ke$haを髣髴とさせるバキバキのエレクトロトラックに切なさを加えたダンスチューン「Promise Me」、溌剌としたサビがドキャッチーなエレクトロダンスチューン「White Lies」、UK盤のみ収録のボーナストラックでどちらもエレクトロ&ダンサブルな「I Say OK」「Move On U」など、トレンドを意識したアゲアゲなダンスチューンが満載。ただ、エレクトロ一辺倒かというとそうでもなく、Travie McCoyとのコラボレーションが実現したファンキーで疾走感溢れる「The Way You Watch Me (Feat. Travie McCoy)、アルバム中比較的従来の路線を継承したパワーバラード「Wish I Didn't Know」、Adeleの某曲を意識したかのような本編ラストを飾る切ないピアノバラード「Last Call」など、アルバムのバランスが取れるように非エレクトロ曲も収録されています。

まさにダンスアルバム。非エレクトロ曲である4、6、10、12曲目以外はほぼ全編エレクトロ/ハウス色の強いアルバムとなっていて、それも全曲シングルカットできそうなくらい1曲1曲がキャッチーで粒ぞろい。おそらく過去最高傑作なんじゃないだろうか?と言えるほどに個々の曲は非常に強力でパンチが効いてます。それからヴォーカルに関しても、今までの2作(3作?)ではVanessa一人が目立っていた感があったのですが、今回他のメンバーにもソロパートが増え、サビもVanessa以外のメンバーがメインで歌ってる曲(特にUna様!!)も多いです。以前のようなVanessaメインの声を張り上げる歌唱スタイルは本作では影を潜め、ウィスパリング・ヴォイスだったり、ハスキーだったりと、メンバーそれぞれの持ち味がよく出てるような気がします。その辺りは、よりヴォーカルのバリエーションが広がったのかな?と。しかし本編ラストの「Last Call」はすごく良い曲だと思うんですが、これだけアルバムのカラーにイマイチ合ってないような気がしたのが惜しいなーと(だから太字にしなかったw)。セールス面では惨敗でしたが、順位に反比例した?非常にクオリティの高い1枚なんじゃないかな、と思います。傑作なのに、あまり評価されてないのが本当に残念。

16.12.11

Florence + The Machine - Ceremonials


01. Only If For A Night
02. Shake It Out
03. What The Water Gave Me
04. Never Let Me Go
05. Breaking Down
06. Lover to Lover
07. No Light, No Light
08. Seven Devils
09. Heartlines
10. Spectrum
11. All This and Heaven Too
12. Leave My Body

01. Remain Nameless *
02. Strangeness & Charm *
03. Bedroom Hymns *
04. What The Water Gave Me (Demo)
05. Landscape (Demo)
06. Heartlines (Acoustic)
07. Shake It Out (Acoustic)
08. Breaking Down (Acoustic)

UKの人気オルタナティブロックバンドであり、現代の魔女と呼ばれているFlorence Welch率いるFlorence + The Machineのニューアルバム「Ceremonials」について。前作「Lungs」は全英でロングヒットを遂げ、その人気が飛び火してアメリカでも大ブレイクし、多くのフォロワーをも生み出すほどの影響力と衝撃を音楽界に与えました。中世ヨーロッパのような音世界とゴス感溢れるビジュアルとリリックは、Lady Gagaらとはまた違った独特の個性がありますよね。彼女もまた、同じイギリス出身のAdeleに続いて全世界で活躍して欲しいな、と願っています。そんな彼女の約2年4か月ぶりの新作は、前作でも手腕を発揮していたPaul Epworthが全曲プロデュースを担当。当初、よりヒットを狙うようUSのメジャーなプロデューサーを起用するようレーベル側から打診を受けたそうですが、それを頑なに断ってまで、よりストイックに作り上げたという本作。まさにFlorenceワールドというべき、濃厚な内容となっています。今回入手したのは12曲収録の本編とは別に、新曲やデモ音源などを追加収録した2枚組仕様であるDX盤の方です。

まさに「儀式」と言うべき厳かで壮大な世界観の「Only If For A Night」からアルバムは幕を開け、どっしりとした厚みのあるビートと「Shake it out! Shake it out!」と高らかに歌い上げるサビが印象的な「Shake It Out」、地味ながらも徐々に熱を帯びてゆく展開が秀逸な「What The Water Gave Me」の先行2曲で掴みを取った後、AdeleやDuffyらを彷彿とさせるスモーキーなソウルナンバー「Never Let Me Go」「Breaking Down」「Lover to Lover」と、前半では1stには無かったオーソドックスなソウル路線の楽曲が続きます。これらの楽曲では必要最小限のバンドサウンドで抑えた分、Florenceのソウルフルな歌声が映える仕上がりになっていますね。特に「Never Let Me Go」はFlorence史上初(?)の正統派のミディアムバラードになっていて、情感溢れる歌唱が切なさを出していてGoodです。後半からは、2ndシングルに決定されているスリリングで攻撃的なアップ「No Light, No Light」、1曲目同様こちらも儀式的な雰囲気を醸し出す黒魔術系(?)スローナンバー「Seven Devils」、前作でいう「Cosmic Love」的なポジションの朗らかなコーラスと大陸的なビートを打ち鳴らす「Heartlines」、Florence流ディスコナンバーとも言える四つ打ちアップ「Spectrum」、今作中最もキャッチーでちょいおセンチなポップナンバー「All This and Heaven Too」、能楽的なイントロから重厚なコーラスで迫りくる本編ラストナンバー「Leave My Body」と、比較的従来のFlorenceに近い路線の壮大な楽曲で占められています。また、DX盤のみ収録の新曲3曲も非常に素晴らしく、Björk的な打ち込みのビートと怪しげな歌唱が光る「Remain Nameless」、雪崩れ込むような音の洪水とFlorenceのヴォーカルに圧倒される「Strangeness & Charm」、Florence単独作曲のM.I.A.やSantigoldを彷彿とさせる呪術的な「Bedroom Hymns」など抜かりない出来。他にもデモ音源やアルバム収録曲のアコースティックバージョンなども収録されているので、オリジナルと聴き比べてみるのもいいかも。いつものゴージャスなサウンドではない、シンプルな音で聴けるFlorenceもオツな感じですね。

アルバムは、新たな一面が見られる地味ながら味わい深いソウルフルな楽曲で固められた前半と、従来のFlorenceらしい美しく壮大なサウンドで彩られた後半に分かれた内容になっています。音にしろFlorenceのヴォーカルにしろ、前作のような荒々しさや派手さは本作では影を潜めていますが、その分重厚さと深みが増し、統一感もあって一貫した世界観が味わえるアルバムとなっています。それでいて決して大人しくならず、よりエッジーで尖った(というよりは研ぎ澄まされた)音世界へと踏み出している所もポイント。個人的には今作の方が断然好みですね。アルバムとしての完成度もこちらの方が断然高いと思います。ただ、1曲1曲の完成度はかなり高いし、統一感もある分、逆に言えばメリハリに欠ける所もあるので、1枚通して聴くと若干疲れるのがネックかなぁと。濃い曲が続くので、聴く前はある程度覚悟を持って(?)聴かなきゃいけないかもw と言いつつも、このアルバムですっかりFlorenceに虜になっているのですけどね。いつかライブに行ってみたいです。さあ、あなたもFlorenceの織りなす儀式に参加してみませんか?(とかそれっぽいこと言って締めてみるww)

28.11.11

Nicola Roberts - Cinderella's Eyes


01. Beat of My Drum
02. Lucky Day
03. Yo-Yo
04. Cinderella's Eyes
05. Porcelain Heart
06. I
07. Everybody's Got to Learn Sometime
08. Say It Out Loud
09. Gladiator
10. Fish Out of Water
11. Take A Bite
12. Sticks + Stones

遂に出ました!Girls Aloudのメンバーの一人、Nicola Robertsによる待望の初ソロデビューアルバム!!Girls Aloudの頃から私は彼女のファンでして、GAの中で一番好きなんです。可愛らしくも存在感のある歌声に、独特のガーリィなルックスとファッションに惹かれる女子はきっと多いと思う。そんな彼女に対してソロアルバムのリリースを懇願していた所だったんですが、まさか本当に出ようとはwww 正直絶対ソロ出さない(出せられない)だろうなーと思ってたのに。 なんだか感慨深いですね。そんな彼女の初のソロアルバムは、なんとM.I.A.やRobynらに影響を受けているそうで、制作陣にはDimitri Tokovoi、Diplo、Dragonette、Metronomy、The Invisible Menら個性的なプロデューサー、アーティストが参加し、ソングライティングも全曲Nicola本人が関与しています。

1stシングルはDimitri TokovoiとDiploの共同プロデュースによる「Beat of My Drum」。M.I.A.やSantigoldらを手掛けるプロデューサーなだけあって、彼女らの音楽性に通ずるぶっ飛んだ曲調の変態アップナンバーとなっています。ソロアルバムを出すと聴いて、何となくAnnieみたいな北欧系エレポップ路線で行くのかな?と思いきや、まさかのDiplo起用ですからね。初めて聴いた時ぶったまげました。あと、彼女の歌声のパワフルさにも驚かされましたね。GA曲のソロパートを聴いていて、何となく線が細くてか弱い歌声のイメージだったんですが、サビの「L! O! V! E!」の溌剌としたヴォーカルが意外と様になっていて、Nicolaの新たな一面を引き出すことに成功したんじゃないかな、と思います。Videoのやる気なさそうな映像と振り付けも面白くてツボ。賛否両論ありますが、私は支持します。2ndシングルはカナダのエレクトロポップバンドDragonetteがソングライティングに参加した「Lucky Day」。1stシングルとは打って変わって、陽光輝く爽やかなシンセポップナンバーとなっています。個人的には「Beat~」よりこっちの方が好きですね。少しアンニュイな要素も感じさせつつ、Nicola持前の魅力を凝縮した1曲になってると思います。

そして本作はそんな2曲と同様、そこらのアイドルポップとは一味違ったユニークで面白い曲調のポップナンバーが揃っています。取り分け本作のメインプロデューサーと言っても過言ではないフランス出身のDJ、Dimitri Tokovoiの手腕による楽曲が半数以上を占めており、アルバムでは「Beat of My Drum」の他に、Middle 8部の消え入りそうな儚いファルセットパートが切なさを帯びるバウンシーなポップチューン「Yo-Yo」、比較的オーソドックスな四つ打ちエレクトロ・ダンスチューン「Cinderella's Eyes」、Nicolaの歌唱力の高さが分かるシリアスで切ないミッドダンサー「Porcelain Heart」、往年のポップバンドThe Korgisによる80年代のヒット曲を爽やかな90'sアレンジで歌い上げる「Everybody's Got to Learn Sometime」、毒々しいキャッチーさを振りまくアップナンバー「Gladiator」、自身のパーソナルな想いを綴った本編唯一のバラードナンバー「Sticks + Stones」などを彼が手がけています。そして英国のインディーバンドMetronomyは、能楽を思わせるヘンテコスロウ「I」、浮遊感のあるぼんやりしたシンセサウンドが独創的な「Fish Out of Water」の2曲をプロデュース。2曲とも一筋縄ではいかない癖のある楽曲になっていて、アルバムに良いアクセントを添えていますね。さらに、Sugababes、Gabriella Cilmi、Jessie Jらを手掛けた気鋭のプロデューサーチームThe Invisible Menは、疾走感溢れるバンドサウンドにスペーシーなシンセで味付けされた「Say It Out Loud」、Girls Aloudのデビュー曲「Sound of The Underground」が大発狂したかのような超絶変態アップ「Take A Bite」の2曲をプロデュース。特に後者は1stシングルを凌ぐほどの変態っぷりで、かなりインパクトがあります。個人的に「Fish Out of Water」が一番好きですね。ヴォーカルも音も気だるげなんだけど、中毒性が高く、ジワジワと引き込まれる感じで気にいってます。地味ながら、なかなか味わい深い曲なんじゃないかなーと。

まさにおもちゃ箱をひっくり返したかのようなアルバム。バラエティに富んだ内容の上、どれもかなり個性的な楽曲ばかり。奇天烈でぶっ飛んだアップチューンがあれば、キラキラしたキャッチーなシンセポップもあり、ダークで内向的なエレクトロナンバーがあれば、はたまた彼女のエンジェルボイスが映えるしっとりしたバラードありと、かなり幅広くてカラフルな内容となっています。そのどれもが「これがNicola Roberts!」と呼べる程の強烈なインパクトを持っていて、初のソロアルバムにして、彼女のアーティストとしての個性が確立されたアルバムでもありますね。NMEを始めとする各音楽雑誌の評価も高く、同じGirls AloudメンバーであるCherylやNadineらのソロアルバムと比べると玄人受けしそうな感じです。ただ、色んなタイプの曲が入ってる分、散漫でとっ散らかった印象もあるので、次にソロアルバム(既に2ndアルバムの制作に着手したそうです)が出る時は、もっとコンセプチュアルで統一感のあるアルバムも聴いてみたいですね。とりあえず、ポップファンからインディーファンまでお薦めの1枚!

13.8.11

Natalia Kills - Perfectionist


01. Perfection
02. Wonderland
03. Free
04. Break You Hard
05. Zombie
06. Love Is A Suicide
07. Mirrors
08. Not in Love
09. Acid Annie
10. Superficial
11. Broke
12. Heaven
13. Nothing Lasts Forever (Feat. Billy Kraven)
14. If I Was God

UKはブラッドフォード出身の女性シンガーソングライター、Natalia Killsのデビューアルバム「Perfectionist」を紹介。元々、彼女は2005年に、Verbaliciousなるアーティスト名で既にデビューしており、アルバムリリースにまでこぎ着けた矢先、所属していたレコード会社が倒産。自身の再デビューのチャンスを掴むため、ソングライターとして他のアーティストへの楽曲提供を行っていた所をwill.i.amに見出され、Interscope系列の色モノアーティストばかりが集まるCherrytree Recordsと契約。6年の時を経てNatalia Killsとして再デビューを果たしました。アルバムのエグゼクティブ・プロデューサーをレーベルのボスであるMartin Kierszenbaumとwill.i.amの2名が務め、制作にはTheron Feemster(Mary J. Blige、Ne-Yo)、Jeff Bhasker(Kanye West、Alicia Keys、Beyoncé)、Fernando Garibay(Lady Gaga、Sugababes)に、はたまたAkonまでといった気鋭のプロデューサー陣が参加。プロデューサーの人選が有名どころからちょっと外してる辺りにwill.i.amのセンスを感じますw

1stシングルは「Mirrors」。正直これ始めて聴いた時「まんまLady Gagaじゃんwww」でしたw まあ制作陣がまんま初期Gagaと一緒ですからね。しかし、そんなことは関係なく、この曲の持つインパクトのあるサウンドとメロディーにはガツンと来るものがありまして、特に猥雑なギターサウンドとサビのメロディーの美しさの対比が素晴らしいです。ライブで披露していたピアノ・バージョンの方もメロディーの良さが際立っていてお薦め。2ndシングルはマーチングバンドのリズムも取り入れた厳かな雰囲気の「Wonderland」。悪趣味としか言いようのないVideoは置いといて、この曲もかなり完成度が高い。無機質なビートと相成る淡々としたフックが逆にカッコいいです。シンデレラや赤ずきんなど、様々なおとぎ話を盛り込んだリリックも面白い。そして3rdシングル「Free」は、前2曲にあったダークさが後退して、よりポップで大衆にアプローチできそうなキャッチーでスピード感のあるエレクトロチューン。シングルバージョンにwill.i.amをフィーチャーしている辺り、勝負曲といった感じなのかな。なお、プロモーション・シングルとしてオートチューンを使ったダークでグロテスクな世界観が広がる「Zombie」がリリースされていて、この曲もかなり侮れないクオリティ。お経のように「I'm in love with a zombie (boy)」と繰り返すフックがインパクト絶大すぎます。

そして本作は、そんなシングル曲と同路線の妖しげなアップナンバーが中心となっていて、ロッキッシュで力強いビートが鳴り打つ「Break You Hard」、変態ブリブリシンセが脳内を揺さぶりまくる「Love Is A Suicide」、ノイジーな猥雑エレクトロロック「Acid Annie」、Timbaland系統のチャカポコサウンドをロッキッシュに味付けしたかのような「Superficial」、客演の必要性が無さ過ぎるカッチリとした80年代風エレクトロチューン「Nothing Lasts Forever」と、個性的な楽曲が多数収録。またアップだけでなく、物悲しげな雰囲気の「Not in Love」、Ryan Tedder系統の壮大なパワーバラード「Broke」、切なくも夢見心地の良い美メロミッド「Heaven」、宗教的な神々しさを放つクロージングナンバー「If I Was God」と言ったミッド~バラードの方も個性的で面白い曲が多く、アルバムに良いアクセントを与えている印象です。エレクトロだけじゃなく、ロックやオルタナティブ、はたまたR&Bやヒップホップにダブステップなどの雑多な音を取り入れていて、今のメインストリームで流行っている音楽と比べると少し違うというか、よりダークでエッジーな印象を受けます。個人的にグッと来たのが「Broke」「Heaven」のバラード2曲ですかね。特に「Heaven」はダークな雰囲気の中で一際異彩を放つキュートな魅力があって、とても気に入っている1曲でもあります。

全体的にダークで妖しい音世界で統一されたアルバム。音だけじゃなく、それはビジュアルイメージやアートワークにまで徹底されていて、思わず「ホラー」や「グロテスク」と言った言葉まで連想してしまう程。それくらいドロドロとしたダークな世界観がこのアルバム1枚に作り上げられている感覚があり、非常にコンセプチュアル。奇抜なビジュアルイメージからして何かとLady Gagaと比較されがちな彼女ですが、蓋を開けてみればそんなことはなく、GagaやKe$haらと比べると、もっとマニアックで聴く人を選びそうなアルバムかな。あくまでGagaとは別物だと思ってるので、Gagaっぽさを期待してる人は、まず試聴してみた方がいいかもです。完成度は高いですが、決してキャッチ―で聴き易いとは言えないし、お薦め!とも言えないけど、個人的には好きなアルバム。

ちなみに今回紹介したのは既に発売済みのEU盤ですが、8月16日にリリース予定のUS盤は安い代わりに「Perfection」「Not in Love」「Heaven」「Nothing Lasts Forever」の4曲がごっそり削られて(その代わり「Free」はwill.i.am客演バージョンでの収録)、10曲しか入ってないので、ご注意ですよー。特に「Heaven」は個人的一押し曲なので、EU盤及びUK盤(9月19日リリース)の購入がお勧めです。ついでに、USのiTSでも10曲入りバージョンとは別に、デラックス・エディション形式で14曲入り(+新曲「Kill My Boyfriend」が追加収録orz)バージョンが購入可能だそうなので、USのアカウントを持ってる人は、そちらを当たってみてもいいかも。

10.8.11

Sophie Ellis-Bextor - Make A Scene


01. Revolution
02. Bittersweet
03. Off & On
04. Heartbreak (Make Me A Dancer)
05. Not Giving Up On Love
06. Can't Fight This Feeling
07. Starlight
08. Under Your Touch
09. Make A Scene
10. Magic
11. Dial My Number
12. Homewrecker
13. Synchronized
14. Cut Straight to the Heart

ついに出ました!Sophieのニューアルバム!通算4枚目となる本作「Make A Scene」は、前作「Trip The Light Fantastic」からなんと4年ぶりのリリース。当初は2008年にベストアルバムをリリースする予定だったのが、オリジナルアルバムとしてのリリースに変更。そこから度重なる延期の結果、気付いたらデビューから10周年が経過していました。

まず初めに公開されたのが「Off & On」と「Heartbreak (Make Me A Dancer)」の2曲。2008年に発売される予定だったベストアルバムに収録予定だった新曲でしたが、特に前者「Off & On」は、ピコピコキラキラしたキャッチーなエレクトロチューンで、個人的にドツボな曲でした。Calvin Harrisプロデュース&Roisin MurphyとCathy Dennisがソングライティング参加と非常に豪華な布陣なだけあって、かなりのクオリティを誇っていると思います。Roisin Murphyの2nd「Overpowered」からのアウトテイクらしいですね(デモ音源と思われるRoisinバージョンもYouTubeで聴けます)。そしてもう一方の「Heartbreak (Make Me A Dancer)」は(プロデュースを担当したFreemasons名義での)正式なシングルとして2009年に発表。さらに1年後、再びFreemasonsとタッグを組んで「Bittersweet」を発表し、続いてJunior Calderaとの「Can't Fight This Feeling」、Armin van Buurenとの「Not Giving Up On Love」など、客演名義でのリリースが相次いでいましたが、肝心なアルバムリリースの目処は曖昧な状態...かと思いきや、今年の4月になってオフィシャルから突然アルバムリリースのアナウンスが発表。同時にシングル「Starlight」のシングルリリースも決定され、ようやくアルバムのリリースがされることになりました。

アルバムはGreg Kurstinプロデュースによる疾走感溢れるエレポップチューン「Revolution」から幕を開け、そこから先は「Bittersweet」から「Can't Fight This Feeling」まで怒涛の既発曲の連続。ほぼアップナンバーで固められた前半は完全にエレクトロ&フロア仕様となっております。それを超えると中盤で聴ける80'sテイストの香る哀愁ミッドダンサー「Starlight」で一旦クールダウン。この曲、最初は地味な印象しか無かったのに、聴けば聴くほどハマっていく不思議。この深みのある哀愁加減が沁みます。前後の曲がアゲアゲで激しい分、アルバムの流れに丁度良いアクセントとしての役割を果たしているんじゃないでしょうか。後半からはMadonnaの「Confessions On A Dancefloor」路線を彷彿とさせる低音の効いた「Under Your Touch」、英国のエレクトロポップバンドMetronomyが参加した奇天烈過ぎる表題曲「Make A Scene」、Kylie Minogue系統の耽美な王道ユーロダンスチューン「Magic」、リズミカルなシンセとビートが弾ける「Dial My Number」、物憂げな雰囲気の「Homewrecker」と再びアゲアゲでエレクトロなダンスチューンが続き、売れっ子ソングライターIna Wroldsen作曲の美麗な歌モノミッド「Synchronized」、アルバムのラストを飾るシリアスなミッド「Cut Straight to the Heart」で〆。

まさにダンスアルバム。「Starlight」とラスト2曲が辛うじてミッドと呼べる以外はバラード無しの、ほぼ全編エレクトロ&四つ打ちダンスチューンで占められていて、今までのアルバムの中で一番「攻め」の姿勢を感じるアルバムですね。正直、今まで発表されたシングル曲が個人的にどれもぐっと来なかったので期待半分不安半分だったんですが、なかなかの出来で良かった!難色を示していたシングル曲の方も、アルバムで通して聴いてみると意外としっくり来るようになっちゃいました。Sophieはもともとデビューの頃から四つ打ちダンスポップを歌っていた人だし、ここまでガッツリエレクトロ路線でも違和感は無いですね。メロディーもしっかりしていて聴きやすいので、エレクトロが大好きなメインストリーム系の音楽を聴いてる人にもオススメです。期待以上!!とまでは行かなかったけど、期待通りの素晴らしいアルバムだと思います。3年間待った甲斐があった(笑)。

28.5.11

Lady Gaga - Born This Way


01. Merry the Night
02. Born This Way
03. Government Hooker
04. Judas
05. Americano
06. Hair
07. Scheiße
08. Bloody Mary
09. Black Jesus † Amen Fashion *
10. Bad Kids
11. Fashion of His Love *
12. Highway Unicorn (Road to Love)
13. Heavy Metal Lover
14. Electric Chapel
15. The Queen *
16. You and I
17. The Edge of Glory

今や世界のスーパースターであるLady Gagaのニューアルバム「Born This Way」の感想。デビュー作「The Fame」とその続編である「The Fame Monster」を経てリリースされた本作は、Gaga本人曰く「最もパーソナルな作品」だそう。個人的に、私の中では「The Fame Monster」はミニアルバム(Ver. 1.5)だと思ってるので、「Born This Way」が正式な2ndアルバムだと思っています。本作は14曲収録のStandard Editionと、ボーナストラック3曲追加した17曲収録+Remixが5曲収録(日本盤は7曲収録)の2枚組Deluxe Editionの2形態に分かれており、私は2枚組のDeluxe Editionを購入。個人的にDisc 2のRemix集には全く興味無い(というか聴いてもいない)ので、Disc 1のみレビューさせてもらいます。ちなみに日本盤は何故かライナーノーツが付いていない(対訳のみ)のでご注意。

1stシングルは「Born This Way」。普遍的なメッセージを歌ったポジティブなエネルギーに満ちたダンスナンバーで、今までのGagaに無かったタイプの楽曲ですね。歌詞は良いなと思うんですが、ただ、曲の方がちょっと......なんかポップ過ぎて好きになれず。確かにキャッチーだしメッセージ性もあって、世界的に大ヒットしたのも分かるんですが、なんかダサいっていうか。この曲聴いて、正直アルバムがどうなるのか不安でした。しかし、そんなモヤモヤを一気に払拭させてくれたのが2ndシングルの「Judas」。Gaga作品でお馴染みのRedOneプロデュースの楽曲なんですが、「Bad Romance」をさらにハードで尖ったサウンドにアップグレードしたような、これぞGagaの真骨頂!とでも言うべきキャッチーなダンスナンバーとなっています。大ヒットした「Born This Way」と比べると、チャートアクションはあまり著しくないようですが、私はこっちの方が断然好き。確かに過去の彼女のヒット曲の焼き増しかもしれないけど、それでも良いものは良いと思う。Videoの方も、ここ最近の数作で見られる難解でグロテクスな映像なんかじゃなく、単純明快なエンターテインメントを展開していて視覚的にも楽しめました。そして、3rdシングルはアルバム本編のエンディングを飾る「The Edge of Glory」。この曲、配信限定のプロモーションシングルだったはずが、評判の良さから急遽3rdシングルに決定されたみたいです。ただ、個人的にこの曲もポップ過ぎてあんまり......。Videoを観ればまた印象が変わるのかな。

ひとまず総評は置いといて、とりあえずアルバム曲の方から紹介すると、特に気に入っているのが、オープニングから力強いメロディーと歌唱でアルバムの世界観に引き込む「Merry the Night」、情熱的な歌声を聴かせるラテン調の「Americano」、レトロで懐かしいバンドサウンドと現行エレクトロサウンドが融合したGaga流エレクトロロック「Hair」冒頭からドイツ語の台詞が飛び出すクールな四つ打ちダンスチューン「Scheiße」、80年代のテクノミュージックを彷彿とさせるBlack Jesus † Amen Fashion」、高らかなサビと緩急の効いたバンドサウンドが高揚感を掻き立てる「Highway Unicorn (Road to Love)」、Madonnaを彷彿とさせる歌声を聴かせるダークな質感の「Electric Chapel」辺りかな。特にガツンと来たのが6曲目の「Hair」!この曲大好き!!今までのGagaにありそうで無かった突き抜けたロックサウンドは痛快!何処か切なげなメロディーもツボ。今回のアルバムの中で一番気に入ってる曲です。他にも、Goldfrappもビックリの過激なエレクトロクラッシュナンバー「Government Hooker」、ゴシックなおどろおどろしさ漂う「Bloody Mary」へヴィなギターのイントロからキラキラしたシンセポップに早変わりする「Bad Kids」、え?これがLady Gaga...?と驚かざるを得ない激キャッチーなバブルガムポップ「Fashion of His Love」、タイトルとは裏腹に無機質で温度低めなエレクトロチューン「Heavy Metal Lover」テンポの速い前半からゆったりした後半に転調する懐メロ歌謡ポップス「The Queen」、アルバム中唯一のミッドテンポとなる聴かせるロックバラード「You and I」など、好曲も多し。

正直言って最初はあまりピンと来なかった。殆どがハードな四つ打ちエレクトロ+80年代風メロで占められているため、似たような曲調が続き、1曲1曲の違いが良く分からなかったんですが、これが聴けば聴くほど1曲1曲の違いが分かってくるようになり、どの曲もだんだん好きになっていくという。共通するのは、とにかく80'sっぽいキャッチーで懐かしいメロディーの曲が多いこと。また、1曲の中で劇的にテンポが変わったり、コロコロと目まぐるしく転調したりと、緩急の効いた曲が多いことも特徴的。そして特筆すべきはGagaの歌唱法の変化。1stでは可愛らしい歌声でサラッと歌ってた印象があったんですが、本作ではドスの効いた歌声だったり、はたまた演歌歌手並みにコブシを効かせたりと、だんだん声が太くなってるというか、歌声に力強さが備わってきてるんですよね。逆に、吐息のようなウィスパーヴォイスだったり、無機質で冷たく淡々とした声色だったり、初期の可愛らしい歌い方だったりと、ライブで喉を鍛えた分、デビュー期よりも格段に歌唱力&表現力が増しているんじゃないでしょうか。リリックの方も、以前より内容が幅広くなってることから、ようやく彼女のやりたいことが存分に反映されている感じがします。楽曲の幅広さよりも、アルバム1枚のトータル性を重視したであろう統一感の良さに加えて、17曲というボリュームを感じさせない聴きやすさもあり、おまけに曲順の構成も上手い。妙だと思ってた「Born This Way」も、アルバムの流れで聴くと好きになってきました。賛否両論あるでしょうが、このアルバムは本当にスルメ!!第一印象が悪かった人は、試しに何回も聴いてみてください。1曲1曲が良く出来てるし、今の勢いと共に新たなるLady Gagaが凝縮された素晴らしいアルバムだと思います。太鼓判!

23.4.11

Nicole Scherzinger - Killer Love


01. Poison
02. Killer Love
03. Don't Hold Your Breath
04. Right There
05. You Will Be Loved
06. Wet
07. Say Yes
08. Club Banger Nation
09. Power's Out (Feat. Sting)
10. Desperate
11. Everybody
12. Heartbeat (Rubi Wells' Open Heart Remix)
13. Casualty
14. AmenJena

結局解散したのか活動休止中なのかよく分からないUSの人気ガールズグループ"The Pussycat Dolls"のメインボーカルNicole Scherzingerのソロデビュー作「Killer Love」の感想。Nicoleと言えば2007年にソロデビューアルバム「Her Name Is Nicole」をリリースする計画があったものの、先行シングルのセールスがパッとせず、結局お蔵入りになってしまうという黒歴史がありました。しかし、その後グループでの活動及び内乱を経たのち、ソロシンガーとしての活動拠点をUKに移し、人気ダンス番組「Dancing with the Stars」に出場し優勝するなどのタレント活動としてのプロモーションしつつ、いつの間にやらアルバムリリースに漕ぎ着けることに成功。本作はグループ時代で聴けたR&B的な要素を一切排除し、よりUK受けを狙ったポップ路線に特化した内容となっています。

再デビューシングル(?)となるRedOneプロデュースの「Poison」は、イントロから過剰なシンセが炸裂する超攻撃的なエレクトロダンスチューン。VideoのダサいアクションシーンとNicoleの猫耳みたいな謎の髪形もいい味出してます。そして2ndシングル「Don't Hold Your Breathe」は一転してミッドテンポの煌びやかなシンセに彩られたキャッチーなポップソング。2曲とも対称的ながらも、同じエレクトロポップ/シンセポップ路線を継承しています。前者は全英3位、後者は全英1位を獲得と、早くもUKでの人気を確立してきています。

アルバムの内容ですが、まずはアップの方から見ると「Poison」と同路線のロッキッシュなダンスチューン「Killer Love」を始め、明らかにRihanna「S&M」の焼き増し感が漂うStarGate/Sandy Veeプロデュースの「Wet」、広がりのあるメロディアスなサビが美しい「Say Yes」、うねるようなビートが炸裂する「Club Banger Nation」、ピアノの音色が美しいEnrique Iglesiasとのコラボレート曲「Heartbeat」と、メインストリーム寄りのエレクトロなダンスチューンが多数収録。これらの楽曲はまさに「旬の音」を堪能できる仕上がりになっていて非常に楽しめます。また、聴かせるタイプのミッド&バラードも収録されていて、特に、ドポップ路線の中唯一R&B寄りのサウンド&ライミングを聴かせる「Right There」、大御所Stingをデュエット相手に迎えた繊細で儚いミッド「Power's Out」、爽やかなギターサウンドと切ないメロディーが泣ける「Desperate」などの美メロミッド群が光っている気がします。また、Leona Lewis系統の直球ポップバラード「You Will Be Loved」「Everybody」「Casualty」、シンプルなピアノ弾き語りで切々と歌いきる「AmenJena」と、Nicoleの不安定な歌唱力では若干キツイ気がする正統派のバラードも収録。先行シングル2曲はエレクトロポップ/シンセポップ路線でしたが、アルバムの方はエレポップのみならず色んなタイプの曲が収録されています。

正直あまり期待してなかったんですが、これが意外と楽しめる内容で結構気にいってます。よくあるメインストリームど真ん中なポップアルバムなんですが、UK市場を意識してるだけあって、トラックもメロもかなりキャッチーで即効性抜群。PCD時代から聴いていたR&Bファンからは敬遠されるかもしれないけど、この手のアルバムは何も考えずに楽しんだもん勝ちだと思います。ただ、何でこんな地味でパッとしないジャケットにしたのかが謎...。

27.3.11

Jessie J - Who You Are


01. Price Tag (Feat. B.o.B)
02. Nobody's Perfect
03. Abracadabra
04. Big White Room (Live)
05. Casualty Of Love
06. Rainbow
07. Who's Laughing Now?
08. Do It Like A Dude
09. Mamma Knows Best
10. L.O.V.E.
11. Stand Up
12. I Need This
13. Who You Are

Jessie Jのデビュー作「Who You Are」の感想。Brit AwardのCritic Choiseに選ばれ、さらにBBC Sound of 2011の第1位に選ばれた期待の新人として話題を呼んでいる彼女。デビュー前にはソングライターとして活躍し、Chris BrownやMiley Cyrusら人気アーティストに楽曲提供を行うなど、裏方に徹していた模様。その独創的なファッションセンスからして奇抜なイメージが先行しがちですが、ライブでの生歌はかなり上手く、シンガーとして、あるいはパフォーマーとしての実力も申し分なし。似たり寄ったりな新人(それはそれで嫌いじゃないんですが)ばかりが蔓延る中、確かな歌唱力とポップスターの持つカリスマ性を兼ね揃えていて、久しぶりに濃いキャラが出てきたなぁという印象です。

1stシングル「Do It Like A Dude」は、バウンシーなビートと印象的なギターリフがループするトラックに乗せて、独特のしゃくり上げるような歌唱が炸裂する奇抜なアップ。実質デビュー曲となりますが、おそらくこの曲を聴いて(Videoを観て)Lady GaGaやKe$haらを連想した人も少なくないはず。しかし、2ndシングル「Price Tag (Feat. B.o.B)」はガラリと趣向を変えて、ピースフルなメッセージが込められたオーソドックスなポップナンバー。ある意味対称的と言える2曲ですね。前者は全英2位、後者は全英1位を獲得し、両者共に今もなおロングヒットを続けるなど、人気の高さが伺えるチャートアクションを見せています。どっちも好きなんですが、どちらかというと私は「Do It~」の方が好きで、最初は変な曲だとしか思って無かったのに、これが聴けば聴くほど中毒性が高い。Videoの顔芸っぷりも面白いしね。

そして本作ですが、これが意外と言えるくらい「歌」に焦点が当てられた楽曲ばかりなんです。トラックは二の次で、あくまでメインなのはJessie Jの歌唱。とりわけ3rdシングルに内定されている自責の念を唄ったエッジーでシリアスなミッドチューン「Nobody's Perfect」と、「自分を見失わないで」という普遍的なメッセージが込められたタイトル曲「Who You Are」あたりはそれが顕著に表れていて、個人的にも特に気に入っている2曲です。また、Chris Brownに提供した楽曲をそのままセルフカバーした美麗なバラード「I Need This」も良い感じ。アップ系で言うと昼下がりのドライブに似合いそうな爽快なポップチューン「Abracadabra」や、奇抜さとポップさ両方を兼ね揃えたヘンテコキャッチーな「Rainbow」、「ポンポポポポポ~ンポンポポポポポ~ン」というイントロが笑える同路線の「Who's Laughing Now?」あたりもなかなか面白いな、と。他にも、ライブ音源をそのままオリジナルアルバムに収録するという異例を成し遂げたアコギ弾き語りのバラード「Big White Room (Live)」、ブラックミュージックファンをも唸らせるであろうソウルフルなスロウジャム「Casualty Of Love」、まさかのビッグバンド路線「Mamma Knows Best」、レゲエテイストな「L.O.V.E.」、シンプルなアコースティックサウンドに乗せて朗らかに歌い上げる「Stand Up」など、一つのジャンルという枠に収まらず幅広い楽曲が収録されています。そして、それらの楽曲を自分色に染め上げ、堂々と歌い上げる姿はさすがといった所。

しかしその反面、楽曲自体を切り取ってみると、思ったより手堅いというか優等生的だな、という印象。ポップを軸に、ロック、R&B、レゲエ、ジャズ、アコースティックとバラエティ豊かながら、流行に媚びたエレクトロ路線は皆無で、おそらく「Do It Like A Dude」のような奇抜な路線を期待すると肩透かしを食らうであろうアルバムですね。ただ、私も「Do It~」のような奇抜な路線...もといUK版GaGaやUK版Ke$haとでも言えそうなメインストリーム寄りの路線を期待していたので、正直最初はあまりピンと来るものがないなーと思っていましたが、何回も聴いているうちに「あれ?良いかも?」と思うようになってきました(笑)。また、リリックの内容も幅広くて面白いものばかりなので、歌詞に着目して聴いてみると、もっと楽しめるかもしれません。個人的にそこまで好きじゃないんですが、オーソドックスで安心して聴けるアルバムですね。てか、こうしてレビューしてみると好きな曲が結構多いってことは、何だかんだ言って気に入ってるってことかw

23.3.11

Clare Maguire - Light After Dark


01. Are You Ready? (Intro)
02. The Shield and the Sword
03. The Last Dance
04. Freedom
05. I Surrender
06. Bullet
07. The Happiest Pretenders
08. Sweet Lie
09. Break These Chains
10. You're Electric
11. Ain't Nobody
12. Light After Dark
13. This Is Not The End

英国バーミンガム出身の新人アーティストClare Maguireのデビュー作「Light After Dark」の感想。BBC Sound of 2011の5位に選出され、期待の新人として彗星の如く現れたClareですが、BBCのサイトで紹介されているのを知ってからすぐに気に入り、個人的にも特に注目していた新人アーティストでした。各方面からの評価を裏付ける確かな実力と美貌を兼ね揃え、貫禄溢れるパフォーマンスを披露するその姿は、新人ながら早くもアーティストとしての個性を確立してきた感がありますよね。なお、アルバムのトータルプロデュースは、多くのUKアーティストのヒット曲を手掛ける敏腕プロデューサーFraser T. Smith(Taio Cruz、Ellie Goulding、Kylie Minogueなど)が担当しています。

1stシングルは去年の10月にリリースされた「Ain't Nobody」は地を這うようなビートを取り入れたスリリングなアップナンバーで、抑えめな序盤から徐々に盛り上がっていく展開にゾクゾク。そして2ndシングルは「The Last Dance」。1stシングルとは一転して、壮大なサウンドで彩られたドラマティックかつ神秘的なバラードナンバーとなっており、故Michael Jacksonへ宛てたという歌詞の内容も印象的。Videoの芸術的な視覚効果も手伝ってか、まるで天に祈りを捧げるかのような神々しさすら覚えます。いずれもClareのハスキーかつパワフルな歌唱がメインとなった楽曲となっていて、この2曲だけでもアルバムに対する期待感が高まっていました。

そして、アルバムの内容はというと、シングル2曲に違わず、全編通して宗教的とも言えるドラマティックでスピリチュアルな音作りと、Clareの持つ表現力に富んだボーカルによって構成されたアルバムとなっています。厳かな雰囲気のイントロ「Are You Ready?」から始まり、アグレッシブなバンドサウンドとドスの効いた歌声を聴かせてくれるオープニングナンバー「The Shield and the Sword」、躍動感のあるトライバルビートと張り裂けんばかりのClareの悲痛な歌声に鳥肌が立つ「Freedom」、ダークでゴシックな質感を持つ楽曲群の中、一際明るく多幸感に満ち溢れた美曲「I Surrender」、Cherを彷彿とさせる低音ボーカルで迫りくる荘厳なスロウ「Bullet」、ダイナミックなサビに圧倒されること必至な「The Happiest Pretenders」、いつもより抑えめなボーカルが目立つ妖しげで不穏なスロウ「Sweet Lie」、テクノポップ調のバースからサビに掛けてスケールの大きいサウンドへと展開される壮大なタイトル曲「Light After Dark」と、シングル2曲に負けじとクオリティの高い楽曲群が揃います。そんな中、ラストを飾る実質アカペラのみの構成と言っていいバラード「This Is Not The End」の美しさと儚さといったら...!慈悲的な内容の歌詞と共にただただ穏やかで優しげな歌唱が感動的な名曲だと思います。この曲に一番心奪われた人も多いんじゃないでしょうか?あとは「Freedom」「I Surrender」「Bullet」「The Happiest Pretenders」あたりも特に気に入ってます。

内容的には一昨年のFlorence and the Machineや、去年のMarina and the Diamonds(Clareとは友達だそう)らに近い印象なんですが、前述に挙げた二人と比べるとより大衆的で聴きやすい印象ですね。FlorenceやMarinaらと比べると多少インパクトに欠ける気がしますが、その分アクの強さもなく、全体的にポップで分かりやすい構成の楽曲が多いので、差別化は十分取れているんじゃないかなーと思いました。4曲目の「Freedom」を除いたほぼ全曲Fraser T. Smithとの共作なだけに、統一感も十分あり、アルバム1枚通して彼女の世界観が一貫してリアルに感じられるんじゃないかと思います。ポップアルバムとしてもクオリティが高いし、意外と幅広いリスナーに受けそうかも?


3.1.11

Keri Hilson - No Boys Allowed


01. Buyou (Feat. J. Cole)
02. Pretty Girl Rock
03. The Way You Love Me (Feat. Rick Ross)
04. Bahm Bahm (Do It Once Again)
~I Want You~
05. One Night Stand (Feat. Chris Brown)
06. Lose Control (Feat. Nelly)
~Let Me Down~
07. Toy Soldier
08. Breaking Points
09. Beautiful Mistake
10. Gimme What I Want
11. All The Boys

女性R&Bシンガーソングライター、Keri Hilsonのニューアルバム「No Boys Allowed」の感想。チャート初登場4位のヒットを記録したデビュー作「In A Perfect World...」から1年9か月ぶりの新作となります。本作も前作同様、TimbalandとPolow Da Donの二人がアルバムのエグゼクティブ・プロデューサーを担当しています。

1stシングルとしてリリースされたのはTimbalandプロデュースによる「Breaking Points」で、オールドスクール調のR&Bスロウナンバーになっています。この曲は1stシングルというか、あくまでプロモシングル扱いなんでしょうね。あえてシングル向きじゃない地味な曲を先行リリースすることによって、アルバムの序章として中々のインパクトを残すことができたんじゃないでしょうか。そして、こちらが正式な1stシングルと言っていい2ndシングル「Pretty Girl Rock」は、これまたオールドスクール調のヒップなビートとキラキラしたウワモノが印象的なポップチューン。Keri自らがDiana Ross、Janet Jackson、T-Boz(TLC)ら往年の女性R&Bスターに扮する華やかなVideoの話題性も手伝ってか、現在チャート上昇中。そして、本作一の問題曲となるのが、賛否両論が巻き起こっている3rdシングル「The Way You Love Me」。これは曲にもVideoにも本当にビックリしました(笑)。アゲアゲなビートに乗せてサビでガナりを効かせて連呼するのは......まあ、聴いたことない人はPVも合わせてチェックしてみてください。個人的には結構好きです。

アルバムの中で特に気に入っているのが、StarGateプロデュースによる6曲目の「Lose Control」。同じStarGate繋がりで、Rihanna「What's My Name」路線のキャッチーでメロディアスなミッドナンバーとなっていて、中々のヒットポテンシャルを感じさせてくれる楽曲。爽やかなシンセトラックにKeriの癖のない歌声が映えていて、Nellyのラップも良い感じのアクセントを添えています。間違いなくこの曲が次のシングルになるんでしょうねー。さらに次の「Toy Soldier」もヤバい!タイトルからして挑発的なマーチングバンド系アップかと思いきや、変則ビートとピアノの音色が印象的な美しいバラード。この曲でのKeriの伸びやかに歌いあげるヴォーカルが素晴らしいです。

他にも、ホーンの効いたクールなHip-Hopナンバー「Buyou」、Rihanna風のレゲエテイストなミッド「Bahm Bahm (Do It Once Again)」、Chris Brownを迎えたエロティックな濃厚R&Bスロウ「One Night Stand」、Timbaland Pro.とは思えないポップで可愛らしいミッド「Beautiful Mistake」、サウスなトラックからサビで四つ打ちに転調する展開が面白い「Gimme What I Want」、演歌的な哀愁を感じさせるミディアムバラード「All The Boys」などが収録されています。

キラーチューンが多くて粒ぞろいだったデビュー作「In A Perfect World...」と比べると、キャッチーな要素は少なく地味な印象。前作からポップなアプローチをごっそり削って、よりハードでエッジーなR&B/Hip-Hop路線にシフトしていった印象ですね。しかし、とっ散らかった内容だった前作よりも一貫して統一感があり、曲間にインタールード的な小曲(「I Want You」「Let Me Down」)が挟まれていたりと、アルバム1枚の流れに強い拘りを感じます。正直先行シングル3曲を聴いたときはあまり印象が良くなく、アルバムの方も期待してなかったんですが、これが思ったより良かった!微妙だったシングル曲も、アルバムの流れで聴くと自然と好きになってきました。少なくとも流行に媚を売るような内容ではないことは確かかな。賛否両論あるかもしれませんが、私は支持します。