27.3.11

Jessie J - Who You Are


01. Price Tag (Feat. B.o.B)
02. Nobody's Perfect
03. Abracadabra
04. Big White Room (Live)
05. Casualty Of Love
06. Rainbow
07. Who's Laughing Now?
08. Do It Like A Dude
09. Mamma Knows Best
10. L.O.V.E.
11. Stand Up
12. I Need This
13. Who You Are

Jessie Jのデビュー作「Who You Are」の感想。Brit AwardのCritic Choiseに選ばれ、さらにBBC Sound of 2011の第1位に選ばれた期待の新人として話題を呼んでいる彼女。デビュー前にはソングライターとして活躍し、Chris BrownやMiley Cyrusら人気アーティストに楽曲提供を行うなど、裏方に徹していた模様。その独創的なファッションセンスからして奇抜なイメージが先行しがちですが、ライブでの生歌はかなり上手く、シンガーとして、あるいはパフォーマーとしての実力も申し分なし。似たり寄ったりな新人(それはそれで嫌いじゃないんですが)ばかりが蔓延る中、確かな歌唱力とポップスターの持つカリスマ性を兼ね揃えていて、久しぶりに濃いキャラが出てきたなぁという印象です。

1stシングル「Do It Like A Dude」は、バウンシーなビートと印象的なギターリフがループするトラックに乗せて、独特のしゃくり上げるような歌唱が炸裂する奇抜なアップ。実質デビュー曲となりますが、おそらくこの曲を聴いて(Videoを観て)Lady GaGaやKe$haらを連想した人も少なくないはず。しかし、2ndシングル「Price Tag (Feat. B.o.B)」はガラリと趣向を変えて、ピースフルなメッセージが込められたオーソドックスなポップナンバー。ある意味対称的と言える2曲ですね。前者は全英2位、後者は全英1位を獲得し、両者共に今もなおロングヒットを続けるなど、人気の高さが伺えるチャートアクションを見せています。どっちも好きなんですが、どちらかというと私は「Do It~」の方が好きで、最初は変な曲だとしか思って無かったのに、これが聴けば聴くほど中毒性が高い。Videoの顔芸っぷりも面白いしね。

そして本作ですが、これが意外と言えるくらい「歌」に焦点が当てられた楽曲ばかりなんです。トラックは二の次で、あくまでメインなのはJessie Jの歌唱。とりわけ3rdシングルに内定されている自責の念を唄ったエッジーでシリアスなミッドチューン「Nobody's Perfect」と、「自分を見失わないで」という普遍的なメッセージが込められたタイトル曲「Who You Are」あたりはそれが顕著に表れていて、個人的にも特に気に入っている2曲です。また、Chris Brownに提供した楽曲をそのままセルフカバーした美麗なバラード「I Need This」も良い感じ。アップ系で言うと昼下がりのドライブに似合いそうな爽快なポップチューン「Abracadabra」や、奇抜さとポップさ両方を兼ね揃えたヘンテコキャッチーな「Rainbow」、「ポンポポポポポ~ンポンポポポポポ~ン」というイントロが笑える同路線の「Who's Laughing Now?」あたりもなかなか面白いな、と。他にも、ライブ音源をそのままオリジナルアルバムに収録するという異例を成し遂げたアコギ弾き語りのバラード「Big White Room (Live)」、ブラックミュージックファンをも唸らせるであろうソウルフルなスロウジャム「Casualty Of Love」、まさかのビッグバンド路線「Mamma Knows Best」、レゲエテイストな「L.O.V.E.」、シンプルなアコースティックサウンドに乗せて朗らかに歌い上げる「Stand Up」など、一つのジャンルという枠に収まらず幅広い楽曲が収録されています。そして、それらの楽曲を自分色に染め上げ、堂々と歌い上げる姿はさすがといった所。

しかしその反面、楽曲自体を切り取ってみると、思ったより手堅いというか優等生的だな、という印象。ポップを軸に、ロック、R&B、レゲエ、ジャズ、アコースティックとバラエティ豊かながら、流行に媚びたエレクトロ路線は皆無で、おそらく「Do It Like A Dude」のような奇抜な路線を期待すると肩透かしを食らうであろうアルバムですね。ただ、私も「Do It~」のような奇抜な路線...もといUK版GaGaやUK版Ke$haとでも言えそうなメインストリーム寄りの路線を期待していたので、正直最初はあまりピンと来るものがないなーと思っていましたが、何回も聴いているうちに「あれ?良いかも?」と思うようになってきました(笑)。また、リリックの内容も幅広くて面白いものばかりなので、歌詞に着目して聴いてみると、もっと楽しめるかもしれません。個人的にそこまで好きじゃないんですが、オーソドックスで安心して聴けるアルバムですね。てか、こうしてレビューしてみると好きな曲が結構多いってことは、何だかんだ言って気に入ってるってことかw

23.3.11

Clare Maguire - Light After Dark


01. Are You Ready? (Intro)
02. The Shield and the Sword
03. The Last Dance
04. Freedom
05. I Surrender
06. Bullet
07. The Happiest Pretenders
08. Sweet Lie
09. Break These Chains
10. You're Electric
11. Ain't Nobody
12. Light After Dark
13. This Is Not The End

英国バーミンガム出身の新人アーティストClare Maguireのデビュー作「Light After Dark」の感想。BBC Sound of 2011の5位に選出され、期待の新人として彗星の如く現れたClareですが、BBCのサイトで紹介されているのを知ってからすぐに気に入り、個人的にも特に注目していた新人アーティストでした。各方面からの評価を裏付ける確かな実力と美貌を兼ね揃え、貫禄溢れるパフォーマンスを披露するその姿は、新人ながら早くもアーティストとしての個性を確立してきた感がありますよね。なお、アルバムのトータルプロデュースは、多くのUKアーティストのヒット曲を手掛ける敏腕プロデューサーFraser T. Smith(Taio Cruz、Ellie Goulding、Kylie Minogueなど)が担当しています。

1stシングルは去年の10月にリリースされた「Ain't Nobody」は地を這うようなビートを取り入れたスリリングなアップナンバーで、抑えめな序盤から徐々に盛り上がっていく展開にゾクゾク。そして2ndシングルは「The Last Dance」。1stシングルとは一転して、壮大なサウンドで彩られたドラマティックかつ神秘的なバラードナンバーとなっており、故Michael Jacksonへ宛てたという歌詞の内容も印象的。Videoの芸術的な視覚効果も手伝ってか、まるで天に祈りを捧げるかのような神々しさすら覚えます。いずれもClareのハスキーかつパワフルな歌唱がメインとなった楽曲となっていて、この2曲だけでもアルバムに対する期待感が高まっていました。

そして、アルバムの内容はというと、シングル2曲に違わず、全編通して宗教的とも言えるドラマティックでスピリチュアルな音作りと、Clareの持つ表現力に富んだボーカルによって構成されたアルバムとなっています。厳かな雰囲気のイントロ「Are You Ready?」から始まり、アグレッシブなバンドサウンドとドスの効いた歌声を聴かせてくれるオープニングナンバー「The Shield and the Sword」、躍動感のあるトライバルビートと張り裂けんばかりのClareの悲痛な歌声に鳥肌が立つ「Freedom」、ダークでゴシックな質感を持つ楽曲群の中、一際明るく多幸感に満ち溢れた美曲「I Surrender」、Cherを彷彿とさせる低音ボーカルで迫りくる荘厳なスロウ「Bullet」、ダイナミックなサビに圧倒されること必至な「The Happiest Pretenders」、いつもより抑えめなボーカルが目立つ妖しげで不穏なスロウ「Sweet Lie」、テクノポップ調のバースからサビに掛けてスケールの大きいサウンドへと展開される壮大なタイトル曲「Light After Dark」と、シングル2曲に負けじとクオリティの高い楽曲群が揃います。そんな中、ラストを飾る実質アカペラのみの構成と言っていいバラード「This Is Not The End」の美しさと儚さといったら...!慈悲的な内容の歌詞と共にただただ穏やかで優しげな歌唱が感動的な名曲だと思います。この曲に一番心奪われた人も多いんじゃないでしょうか?あとは「Freedom」「I Surrender」「Bullet」「The Happiest Pretenders」あたりも特に気に入ってます。

内容的には一昨年のFlorence and the Machineや、去年のMarina and the Diamonds(Clareとは友達だそう)らに近い印象なんですが、前述に挙げた二人と比べるとより大衆的で聴きやすい印象ですね。FlorenceやMarinaらと比べると多少インパクトに欠ける気がしますが、その分アクの強さもなく、全体的にポップで分かりやすい構成の楽曲が多いので、差別化は十分取れているんじゃないかなーと思いました。4曲目の「Freedom」を除いたほぼ全曲Fraser T. Smithとの共作なだけに、統一感も十分あり、アルバム1枚通して彼女の世界観が一貫してリアルに感じられるんじゃないかと思います。ポップアルバムとしてもクオリティが高いし、意外と幅広いリスナーに受けそうかも?