13.8.11

Natalia Kills - Perfectionist


01. Perfection
02. Wonderland
03. Free
04. Break You Hard
05. Zombie
06. Love Is A Suicide
07. Mirrors
08. Not in Love
09. Acid Annie
10. Superficial
11. Broke
12. Heaven
13. Nothing Lasts Forever (Feat. Billy Kraven)
14. If I Was God

UKはブラッドフォード出身の女性シンガーソングライター、Natalia Killsのデビューアルバム「Perfectionist」を紹介。元々、彼女は2005年に、Verbaliciousなるアーティスト名で既にデビューしており、アルバムリリースにまでこぎ着けた矢先、所属していたレコード会社が倒産。自身の再デビューのチャンスを掴むため、ソングライターとして他のアーティストへの楽曲提供を行っていた所をwill.i.amに見出され、Interscope系列の色モノアーティストばかりが集まるCherrytree Recordsと契約。6年の時を経てNatalia Killsとして再デビューを果たしました。アルバムのエグゼクティブ・プロデューサーをレーベルのボスであるMartin Kierszenbaumとwill.i.amの2名が務め、制作にはTheron Feemster(Mary J. Blige、Ne-Yo)、Jeff Bhasker(Kanye West、Alicia Keys、Beyoncé)、Fernando Garibay(Lady Gaga、Sugababes)に、はたまたAkonまでといった気鋭のプロデューサー陣が参加。プロデューサーの人選が有名どころからちょっと外してる辺りにwill.i.amのセンスを感じますw

1stシングルは「Mirrors」。正直これ始めて聴いた時「まんまLady Gagaじゃんwww」でしたw まあ制作陣がまんま初期Gagaと一緒ですからね。しかし、そんなことは関係なく、この曲の持つインパクトのあるサウンドとメロディーにはガツンと来るものがありまして、特に猥雑なギターサウンドとサビのメロディーの美しさの対比が素晴らしいです。ライブで披露していたピアノ・バージョンの方もメロディーの良さが際立っていてお薦め。2ndシングルはマーチングバンドのリズムも取り入れた厳かな雰囲気の「Wonderland」。悪趣味としか言いようのないVideoは置いといて、この曲もかなり完成度が高い。無機質なビートと相成る淡々としたフックが逆にカッコいいです。シンデレラや赤ずきんなど、様々なおとぎ話を盛り込んだリリックも面白い。そして3rdシングル「Free」は、前2曲にあったダークさが後退して、よりポップで大衆にアプローチできそうなキャッチーでスピード感のあるエレクトロチューン。シングルバージョンにwill.i.amをフィーチャーしている辺り、勝負曲といった感じなのかな。なお、プロモーション・シングルとしてオートチューンを使ったダークでグロテスクな世界観が広がる「Zombie」がリリースされていて、この曲もかなり侮れないクオリティ。お経のように「I'm in love with a zombie (boy)」と繰り返すフックがインパクト絶大すぎます。

そして本作は、そんなシングル曲と同路線の妖しげなアップナンバーが中心となっていて、ロッキッシュで力強いビートが鳴り打つ「Break You Hard」、変態ブリブリシンセが脳内を揺さぶりまくる「Love Is A Suicide」、ノイジーな猥雑エレクトロロック「Acid Annie」、Timbaland系統のチャカポコサウンドをロッキッシュに味付けしたかのような「Superficial」、客演の必要性が無さ過ぎるカッチリとした80年代風エレクトロチューン「Nothing Lasts Forever」と、個性的な楽曲が多数収録。またアップだけでなく、物悲しげな雰囲気の「Not in Love」、Ryan Tedder系統の壮大なパワーバラード「Broke」、切なくも夢見心地の良い美メロミッド「Heaven」、宗教的な神々しさを放つクロージングナンバー「If I Was God」と言ったミッド~バラードの方も個性的で面白い曲が多く、アルバムに良いアクセントを与えている印象です。エレクトロだけじゃなく、ロックやオルタナティブ、はたまたR&Bやヒップホップにダブステップなどの雑多な音を取り入れていて、今のメインストリームで流行っている音楽と比べると少し違うというか、よりダークでエッジーな印象を受けます。個人的にグッと来たのが「Broke」「Heaven」のバラード2曲ですかね。特に「Heaven」はダークな雰囲気の中で一際異彩を放つキュートな魅力があって、とても気に入っている1曲でもあります。

全体的にダークで妖しい音世界で統一されたアルバム。音だけじゃなく、それはビジュアルイメージやアートワークにまで徹底されていて、思わず「ホラー」や「グロテスク」と言った言葉まで連想してしまう程。それくらいドロドロとしたダークな世界観がこのアルバム1枚に作り上げられている感覚があり、非常にコンセプチュアル。奇抜なビジュアルイメージからして何かとLady Gagaと比較されがちな彼女ですが、蓋を開けてみればそんなことはなく、GagaやKe$haらと比べると、もっとマニアックで聴く人を選びそうなアルバムかな。あくまでGagaとは別物だと思ってるので、Gagaっぽさを期待してる人は、まず試聴してみた方がいいかもです。完成度は高いですが、決してキャッチ―で聴き易いとは言えないし、お薦め!とも言えないけど、個人的には好きなアルバム。

ちなみに今回紹介したのは既に発売済みのEU盤ですが、8月16日にリリース予定のUS盤は安い代わりに「Perfection」「Not in Love」「Heaven」「Nothing Lasts Forever」の4曲がごっそり削られて(その代わり「Free」はwill.i.am客演バージョンでの収録)、10曲しか入ってないので、ご注意ですよー。特に「Heaven」は個人的一押し曲なので、EU盤及びUK盤(9月19日リリース)の購入がお勧めです。ついでに、USのiTSでも10曲入りバージョンとは別に、デラックス・エディション形式で14曲入り(+新曲「Kill My Boyfriend」が追加収録orz)バージョンが購入可能だそうなので、USのアカウントを持ってる人は、そちらを当たってみてもいいかも。

10.8.11

Sophie Ellis-Bextor - Make A Scene


01. Revolution
02. Bittersweet
03. Off & On
04. Heartbreak (Make Me A Dancer)
05. Not Giving Up On Love
06. Can't Fight This Feeling
07. Starlight
08. Under Your Touch
09. Make A Scene
10. Magic
11. Dial My Number
12. Homewrecker
13. Synchronized
14. Cut Straight to the Heart

ついに出ました!Sophieのニューアルバム!通算4枚目となる本作「Make A Scene」は、前作「Trip The Light Fantastic」からなんと4年ぶりのリリース。当初は2008年にベストアルバムをリリースする予定だったのが、オリジナルアルバムとしてのリリースに変更。そこから度重なる延期の結果、気付いたらデビューから10周年が経過していました。

まず初めに公開されたのが「Off & On」と「Heartbreak (Make Me A Dancer)」の2曲。2008年に発売される予定だったベストアルバムに収録予定だった新曲でしたが、特に前者「Off & On」は、ピコピコキラキラしたキャッチーなエレクトロチューンで、個人的にドツボな曲でした。Calvin Harrisプロデュース&Roisin MurphyとCathy Dennisがソングライティング参加と非常に豪華な布陣なだけあって、かなりのクオリティを誇っていると思います。Roisin Murphyの2nd「Overpowered」からのアウトテイクらしいですね(デモ音源と思われるRoisinバージョンもYouTubeで聴けます)。そしてもう一方の「Heartbreak (Make Me A Dancer)」は(プロデュースを担当したFreemasons名義での)正式なシングルとして2009年に発表。さらに1年後、再びFreemasonsとタッグを組んで「Bittersweet」を発表し、続いてJunior Calderaとの「Can't Fight This Feeling」、Armin van Buurenとの「Not Giving Up On Love」など、客演名義でのリリースが相次いでいましたが、肝心なアルバムリリースの目処は曖昧な状態...かと思いきや、今年の4月になってオフィシャルから突然アルバムリリースのアナウンスが発表。同時にシングル「Starlight」のシングルリリースも決定され、ようやくアルバムのリリースがされることになりました。

アルバムはGreg Kurstinプロデュースによる疾走感溢れるエレポップチューン「Revolution」から幕を開け、そこから先は「Bittersweet」から「Can't Fight This Feeling」まで怒涛の既発曲の連続。ほぼアップナンバーで固められた前半は完全にエレクトロ&フロア仕様となっております。それを超えると中盤で聴ける80'sテイストの香る哀愁ミッドダンサー「Starlight」で一旦クールダウン。この曲、最初は地味な印象しか無かったのに、聴けば聴くほどハマっていく不思議。この深みのある哀愁加減が沁みます。前後の曲がアゲアゲで激しい分、アルバムの流れに丁度良いアクセントとしての役割を果たしているんじゃないでしょうか。後半からはMadonnaの「Confessions On A Dancefloor」路線を彷彿とさせる低音の効いた「Under Your Touch」、英国のエレクトロポップバンドMetronomyが参加した奇天烈過ぎる表題曲「Make A Scene」、Kylie Minogue系統の耽美な王道ユーロダンスチューン「Magic」、リズミカルなシンセとビートが弾ける「Dial My Number」、物憂げな雰囲気の「Homewrecker」と再びアゲアゲでエレクトロなダンスチューンが続き、売れっ子ソングライターIna Wroldsen作曲の美麗な歌モノミッド「Synchronized」、アルバムのラストを飾るシリアスなミッド「Cut Straight to the Heart」で〆。

まさにダンスアルバム。「Starlight」とラスト2曲が辛うじてミッドと呼べる以外はバラード無しの、ほぼ全編エレクトロ&四つ打ちダンスチューンで占められていて、今までのアルバムの中で一番「攻め」の姿勢を感じるアルバムですね。正直、今まで発表されたシングル曲が個人的にどれもぐっと来なかったので期待半分不安半分だったんですが、なかなかの出来で良かった!難色を示していたシングル曲の方も、アルバムで通して聴いてみると意外としっくり来るようになっちゃいました。Sophieはもともとデビューの頃から四つ打ちダンスポップを歌っていた人だし、ここまでガッツリエレクトロ路線でも違和感は無いですね。メロディーもしっかりしていて聴きやすいので、エレクトロが大好きなメインストリーム系の音楽を聴いてる人にもオススメです。期待以上!!とまでは行かなかったけど、期待通りの素晴らしいアルバムだと思います。3年間待った甲斐があった(笑)。