20.9.12

Nelly Furtado - The Spirit Indestructible


【Disc.1】
01. Spirit Indestructible
02. Big Hoops (Bigger The Better)
03. High Life (Feat. Ace Primo)
04. Parking Lot
05. Something (Feat. Nas)
06. Bucket List
07. The Most Beautiful Thing (Feat. Sara Tavares)
08. Waiting for the Night
09. Miracles
10. Circles
11. Enemy
12. Believers (Arab Spring)

【Disc.2】
01. Hold Up
02. End of the World
03. Don't Leave Me
04. Be OK (Feat. Dylan Murray)
05. Thoughts (Feat. The Kenyan Boys Choir)
06. Thoughts (Feat. The Kenyan Boys Choir) (Tiësto Remix)
07. End Game
08. Soak It Up

私の大好きなNellyちゃんのニューアルバムが遂にリリースされました。ラテンアルバムだった前作「Mi Plan」から3年ぶり、英語アルバムとしては大ヒットした名作「Loose」以来6年ぶり(!!)の新作に当たる本作。「Mi Plan」のライブツアー後、ポップシンガーとしての表舞台を退くことを考えるくらい行き詰ったらしいNellyちゃんですが、そんな葛藤を乗り越え、また皆を楽しませるポップミュージックを作りたいという思いから本作が生まれたそうです。アルバムの制作陣には、最多で8曲を手掛けたR&BプロデューサーRodney Jerkinsを始め、「Mi Plan」やベストアルバム収録の「Night Is Young」に引き続き続投となるSalaam Remi、Lana Del ReyやMarina and the Diamondsら個性派SSWを手掛けたRick Nowels、UK出身のベテランFraser T. Smithらを起用。「Loose」では当時ノリにノってたTimbaland&Danjaらが全面プロデュースを担当していましたが、本作もアーバン畑のプロデューサーが中心となっている分、本作もR&B/ヒップホップのエッセンスが強いのではないかと思います。そんな本作ですが、今回発売国によって内容が多少異っているため、私は全世界中最多収録である2枚組仕様の日本盤(輸入DX盤と同内容+α)を購入。2980円というぼったくり価格ですが、ライナー&対訳も付いているので、Nellyちゃんファンの方は日本盤の購入がお薦めです。

1stシングルは「Big Hoops (Bigger The Better)」。低音の効いたヒップホップ色の強い摩訶不思議なアップナンバーで、最初聴いた時「??????」って感じでしたが、「ビガザベガザビガザベガザ」という呪文のようなパートといい、アウトロでいきなりドラムンベースに転調したりといい、聴いてるうちに癖になりハマってしまいましたw。これはスルメソングですね。2ndシングルはアルバムの表題曲である「Spirit Indestructible」。厳かなイントロから力強いビートが鳴り打つベースポップ調のアップナンバーで、非常にキャッチーでインパクトの強い曲。また、コロコロ転調する曲調や、「A E I O U」とこれまた呪文のようなパートなど、「Big Hoops」同様、聴いてて癖になる要素が満載。この曲は聴いてすぐに気に入りました!歌詞の方は「私はどんなことにも決して折れたりしない。不屈な精神の持ち主だから」と自身を鼓舞するメッセージソングとなっていて、葛藤を乗り越えた今の彼女だからこそ歌える曲なのかな、と思いました。聴いてて勇気づけられるというか、元気になれる曲です。3rdシングルは先日Videoが解禁された「Parking Lot」で、BEP「My Humps」的な今風ヒップホップビートに南国チックなピースフルな雰囲気が融合したアップナンバー。この曲はアウトロでの転調とか、Videoのダンスシーンが気に入ってます。これもスルメソングの予感。

そしてアルバム本編に当たるDisc.1ですが、チェンバーポップ風の気の抜けたサウンドとは裏腹に名声を得た後の人生の変わりようを皮肉たっぷりに歌った「High Life」、Nasを客演に迎えた妖しげなチャカポコ系ヒップホップチューン「Something」、アコギのリフが疾走感を放つフォーキーなアップナンバーで「Folklore」路線を彷彿とさせる「Bucket List」、ゆったりした浮遊感のあるサウンドが心地いいR&Bミッド「The Most Beautiful Thing」、異国情緒漂うキャッチーな哀愁四つ打ちダンスチューン「Waiting for the Night」、オリエンタルな音色が雅なR&Bミッド「Miracles」、80's風のキラキラした音作りのR&Bミッド「Circles」、自分自身が最大の敵というリリックが印象に残る壮大で厳かなバラード「Enemy」、アルバム本編ラストを締め括るスケールの壮大な勇ましいロックナンバー「Believers (Arab Spring)」など、彼女らしい世界各国の音楽の要素を取り入れたジャンルレスな音作りとなっています。

また、Disc.2に収録されているボーナストラックの方を紹介しますと、ノイジーなギターサウンドが炸裂する「Hold Up」、Coldplay風のメロディアスなピアノロックバラード「End of the World」、ルーツレゲエに挑戦した「Don't Leave Me」、Dylan Muurayなる同郷カナダ出身の男性SSWとデュエットしたオーソドックスなビッグバラード「Be OK」、ケニア少年合唱団のコーラスをフィーチャーしたシンプルなサウンドの「Thoughts」、そのRemixバージョンでビートやウワモノなど若干音数が増えた「Thoughts (Feat. The Kenyan Boys Choir) (Tiësto Remix)」、レトロに聴かせる物悲しいスロウナンバー「Be OK」、スパニッシュテイストなアップ「Soak It Up」など、こちらもジャンルレスな内容。本編よりもバンドサウンド寄りの音作りで、若干ミッド~スロウテンポの聴かせるタイプの楽曲が多いかな、という印象でした。

基本的には「Loose」と同じく、R&B/ヒップホップのエッセンスを取り入れたアーバンポップ色の強い内容で、Nellyちゃんの音楽性の特徴である、尖鋭なビートと様々なジャンルの音楽を組み合わせたハイブリットな音作りは健在。1曲1曲が粒揃いで、アルバムとしてのトータルの完成度も非常に高いです。しかし、今の流行を追った曲は皆無。もちろんエレクトロも無し。始めからヒットを狙うことを考えずにのびのびと作ったかのような、自由度の高いNelly Furtadoらしいアルバムとなっています。良くも悪くもとても彼女らしいアルバムである半面、おそらく過去のアルバム程のセールスは期待できなさそうな予感...。実際、同時発売のP!nkやKillersの新作と比べると、それほど売れていないみたいだし、シングルの方も一部の国を除けば殆どヒットしておらず...。しかし、それでもNelly Furtadoの音楽が好きな人にとっては間違いない仕上がりのはず!!私だってこのアルバムは好きだし、別に売れなくても気にしません(笑)。ただ、アッパーな曲が多いので、強いて言うなら「Try」とか「All Good Things」みたいなメロディアスなバラードが1曲ぐらい欲しかったかなーと。まあ、それを加えたとしても、アルバムの出来に特に文句はありません。長いブランクを物ともせず、今回も素晴らしいアルバムを届けてくれたので良かったです。流行を無視して自分を貫き通すNellyちゃんをこれからも私は応援したい!というわけで、Nellyちゃんバンザイ!!(どんな締め方だ)