31.7.13

Skylar Grey - Don't Look Down


01. Back From the Dead (Feat. Big Sean and Travis Barker)
02. Final Warning
03. Wear Me Out
04. Religion
05. C'mon Let Me Ride (Feat. Eminem)
06. Sunshine
07. Pulse
08. Glow in the Dark
09. Shit, Man! (Feat. Angel Haze)
10. Clear Blue Sky
11. Tower (Don't Look Down)
12. White Suburban

米出身の女性SSW、Skylar Greyのアルバム「Don't Look Down」の感想。Skylar Greyと言えば、Eminem「Love the Way You Lie (Feat. Rihanna)」や、最近ではZedd「Clarity (Feat. Foxes)」などのヒット曲のソングライティングを勤めた売れっ子ソングライターとして有名ですが、意外にもキャリアは長く、以前は本名であるHolly Brook名義で2006年に歌手活動を行っており、アルバムも発表していたそう。しかし、売り上げは振るわず、レコード会社との契約も切られてしまいましたが、プロデューサーであるAlex da Kidに拾われ、彼の設立したレーベルと契約。アーティスト名をSkylar Greyへと改名し、再出発を図ります。裏方としてまずは楽曲提供や他アーティストへの客演で名を挙げ、シングル「Dance Without You」「Invisible」を立て続けにリリース。当初は「Invinsible」というタイトルで2011年に再デビューアルバムがリリースされる予定でしたが、あえなく延期。しかし、エグゼクティブ・プロデューサーにEminemを迎え、アルバムを作り直すことを宣言。2012年にそのEminemを客演に迎えたシングル「C'mon Let Me Ride」を発表。引き続き裏方としての仕事もこなしつつ、今年になってから「Final Warning」「Wear Me Out」「White Suburban」と、シングルを立て続けに発表し、ようやくアルバム発売へと至ります。そんな紆余曲折あった本作ですが、アルバムの制作には恩師Alex da Kidが最多で7曲を手掛け、他にもJ.R. Rotemが4曲参加と、ポップスにヒップホップやロックの要素を取り入れた彼女らしいジャンルレスな内容になっています。(ちなみに、2011年に発表された「Dance Without You」「Invisible」の2曲は結局アルバム未収録になってしまいましたw(ノ∀`)アチャー)

本作のオープニングを飾る荘厳でメロディアスなミッドナンバー「Back From the Dead」からアルバムは始まり、不穏な空気を纏ったダークなミッドナンバー「Final Warning」、こぶしを回して歌うブルージーなロックバラード「Wear Me Out」、清涼感のあるアコースティックサウンドを鳴らすキャッチーなポップソング「Religion」、アルバムから最初に公開されたシングルにして今までの彼女のイメージを一気に吹き飛ばすお下劣なノリ全開のぶっ飛びヒップホップナンバー「C'mon Let Me Ride」、物憂げな雰囲気のアコースティックバラード「Sunshine」、アルバムの箸休めと言った趣の軽やかなポップソング「Pulse」、広がりのあるサビに惹き込まれる幻想的なバラード「Glow in the Dark」、Skylarらしい美しいメロディーとトラックにAngel Hazeの切れ味鋭いラップが炸裂する「Shit, Man!」、パーカッシブなトラックに子供たちのコーラスを交えたドリーミーなポップソング「Clear Blue Sky」、アルバムのタイトル曲となる儚げなバラード「Tower (Don't Look Down)」、アルバム中唯一のSkylar単独作曲&セルフプロデュース作である安らかなピアノバラード「White Suburban」と、シングル曲はどれも変化球だったものの、全体的に彼女らしい哀しげで儚いミッド~バラードで統一されています。

先行で公開された3曲が割とツボでアルバムにも期待していたんですが、正直言って第一印象は微妙でした。と言うのも、Skylarのメリハリのない歌い回しが一本調子に聴こえてあまり好きになれず、単調に感じたことが一因。さらに言うと、Alex da Kidのトラックに顕著なドカスカした派手なビートは、繊細な彼女の歌声にあまり合ってないんじゃないかと思う。なので、余計にSkylarの歌声が悪い意味で弱弱しく聴こえて、楽曲に物足りなさを感じるんですよね。聴いてて「他のアーティストが歌った方がいいのでは?」と思った曲もちらほら...。多分、彼女のボーカルやトラックそのものが問題というより、ボーカルとトラックの相性の悪さ自体が問題なんじゃないかと思う。しかし、それらの不満点を払しょくするほどにメロディーが良く出来た曲が多く、ソングライティングのセンスは抜群。彼女の書く曲って、自身の曲にしろ、他アーティストに書いた曲にしろ、共通する点はダークで何処か儚げなメロディーであることだと思うんですが、メロディーがキャッチーで覚えやすいから、取っつき易いんですよね。なので、ボーカルとトラックのミスマッチ加減も含めて、聴けば聴くほど「これもアリなのかな?」と思うようになりました(笑)。ただ、SkylarとAlex da Kidの相性はあまり良くないという意見は変わらないので、次のアルバムではもっと相性の合うプロデューサーと出会って、彼女の素質を活かした内容のアルバムに仕上げて欲しいですね。