27.3.15

Marina and the Diamonds - FROOT

Release: 16 March 2015 (UK)
Label: Neon Gold

Tracklist:
01. Happy
02. Froot
03. I'm A Ruin
04. Blue
05. Forget
06. Gold
07. Can't Pin Me Down
08. Salitaire
09. Better Than That
10. Weeds
11. Savages
12. Immortal

遂に発売!!!!Marina and the Diamondsの待望のニューアルバム「FROOT」がリリースされました!!!!前作「Electra Heart」から3年ぶりの新作となります!!マリーナはデビューアルバムの頃から大好きで、私が一番好きな女性アーティストでもあるので、新作のリリースは本当に楽しみにしてました!!3年の月日は長かった……(笑)。前作「Electra Heart」のコンセプトであるマリーナの演じるキャラクター、エレクトラ・ハートを封印し、約1年の月日を掛けて制作された今作は、マリーナ本人曰く、「幸せになることを称えるアルバム」とのこと。神秘的なチェンバーポップ調サウンドに乗せて感情豊かに歌い上げた個性溢れる1st「The Family Jewels」、それとは真逆のメインストリーム寄りのエレクトロポップサウンドをマリーナ流に染め上げた2nd「Electra Heart」と、アルバムごとに全く異なった音楽性を打ち出してきましたが、今作もまた過去の2作とは違った作風を打ち出してきました。アルバムの共同プロデュースにDavid Kosten(Bat For Lashes, Everything Everything)を迎え、ソングライティングはほぼ全曲マリーナ一人で手掛けた完全セルフプロデュース作となっており、より彼女のやりたい事が反映されたであろうパーソナルなアルバムへと仕上がっています。

まずは今作の背景についてですが、去年、マリーナ自身の誕生日でもある10月10日にアルバムタイトル曲の「Froot」が解禁されたことから始まりました。そして、11月11日、12月12日、1月1日…と言ったように、月に1度、ぞろ目の日付にアルバムからの新曲を1曲ずつiTunes Storeなどのオンライン上でリリースするという"Froot of the Month"なるキャンペーンを実施。さらにシングルのアートワークやMVまで用意し、アルバムの全貌を少しずつ提示していくという、今までにないプロモーション活動を展開していきました。iTunesの予約効果で新曲がリリースされるたびにiTunes Chartで上位に入ることによって注目を集めるなどして、その功もあってか、今回、アルバム発売前にラジオエアプレイもTV出演も無く、ほぼノンプロモーションであるのにも関わらず、週間チャートでは全英10位、全米8位とまずまずの結果を獲得。しかも全米の売り上げに至っては過去最高初動を記録&初のトップ10にランクインと自身初の快挙!これは少しずつ人気が上がって行ってるという証拠ですね。これは本当に嬉しかったです(笑)。決して大々的にブレイクするタイプのアーティストではないけど、地道ながらも着実に人気を集めてるのは良い事だと思います。それでは、アルバムの感想へと参りますね。

アルバムのオープニングを飾るピアノ主体の切なく美しいバラードで、何処となく自身の名曲「I Am Not A Robot」を彷彿とさせる「Happy」、地声からファルセットまで幾つもの声色を使って濃厚かつカオスな世界観を繰り広げるオルタナディスコ「Froot」、恋人との別れを切り出そうとする女性の心情を歌った切なく哀しげなミッドナンバー「I'm A Ruin」、伸びやかなファルセットで聴かせる流麗な四つ打ちダンスチューン「Blue」、1stの頃を思わせるパワフルな歌唱で歌い上げる疾走感溢れるロックナンバー「Forget」、"本当に大切な物はお金では買えない"と説くあっけらかんとした曲調のミッド「Gold」、歌詞でいきなり"Motherf***er"という単語が飛び出すガチャガチャしたサウンドのキャッチーなポップソング「Can't Pin Me Down」、不気味な空気感に満ちたホラーなミッドナンバー「Salitaire」、Lana Del Reyを彷彿とさせるヴィンテージなギターサウンドを掻き鳴らすインディーロックナンバー「Better Than That」、爽やかな曲調で何処か切なさが残るミッドナンバー「Weeds」、エレクトロ調のシリアスなダンスチューン「Savages」、たゆたうようなサウンドと自身の死生観を綴った歌詞が印象的なスローバラード「Immortal」と、全12曲が収録されています。

バラードで始まり、バラードで終わる今作ですが、濃厚で壮大、かつサウンドもヴォーカルもある意味過剰だった過去2作と比べると、今作は余計な装飾を削ぎ落としたよりシンプルなバンドサウンドで纏められている印象。また、ヴォーカルの方も奇を衒わず終始フラットに歌い上げていて、今までの中で一番ナチュラルで聴き易い作風になってるんじゃないかと思います。変に肩肘張ってないと言うか、マリーナ自身もリラックスして楽しんで制作したんだろうな、というのが伝わってきますね。もちろん、他の女性シンガー達とは一線を画す唯一無二の個性が爆発してるんですが、過去2作が何処か演じてるというか緻密に作り込まれた世界観であったのに対して、今作はMarina Diamandisという一人の女性のありのままの姿が反映されている感じを受けました。また、歌詞の方も、以前は過去の自分自身に呪詛を吐き続けるような自虐的なテーマの楽曲が多かったのに対して、今回は恋愛から人生、お金、人間関係、はたまた反戦歌までテーマが幅広く、よりオープンに他の誰かや何かに向けて歌った曲が増えた所も変化の一つですね。過去の自分を振り返った「The Family Jewels」と、アルバム1枚丸ごと別の人間を演じた「Electra Heart」が"Marina and the Diamondsのアルバム"だとしたら、今作「FROOT」は、まさに"Marina Diamandisのアルバム"と言った感じ。過去のしがらみから解放された現在の幸せなマリーナの姿をこのアルバムから見れた気がします。

今作では共作者や有名なプロデューサーを一切使わず、非常にシンガーソングライター然としたアルバムとなっているので、人によっては地味に感じる作風かもしれませんが、その分聴けば聴くほど良さが増すような深みがあり、従来のマリーナの持ち味と新たな魅力がブレンドされた素晴らしいアルバムに仕上がっているんじゃないかと思います。ポップス、ロック、エレクトロ、ディスコ、ファンクと、ジャンルレスなスタイルでありつつも、独自のポップネスに満ち溢れたオルタナポップアルバム!!

20.3.15

Single Review Vol.23

Passion Pit - Lifted Up (1985)

アメリカのインディーロックバンド、Passion Pitの新曲。3年ぶりのニューアルバム「Kindred」からの先行シングルとなります。彼らの事は実はあまりよく知らなくて、たまたま興味が湧いてきたので試しに聴いてみたら、とても良い曲!!スケール感のあるキラキラしたエレクトロサウンドとキャッチーでアンセミックなサビがたまりません。ヴォーカルのMichaelのナヨっとした声質もツボ。「ハァーーーアッ!アッ!アッ!アッ!」の掛け声が沖縄民謡っぽい所も気に行ってます(笑)。もう一方の先行シングル「Where the Sky Hangs」もしっとり落ち着いたミッドナンバーでこれまた素晴らしい。アルバムめっちゃ楽しみ!!他にも今月31日発売のMadeonの新作からの先行シングル「Pay No Mind」にもヴォーカリストとして参加していたり、さらに今年のサマソニに出演が決まったりと、今後彼らについて触れる機会が多くなりそうです。



12.3.15

Kodaline - Coming Up For Air

Release: 9 February 2015 (JPN)
Label: Sony Music Entertainment

Tracklist:
01. Honest
02. The One
03. Autopilot
04. Human Again
05. Unclear
06. Coming Alive
07. Lost
08. Ready
09. Better
10. Everything Works Out in the End
11. Play the Game
12. Love Will Set You Free
13. Caught in the Middle *
14. War *
15. Moving On *
16. Honest (Acoustic) *

アイルランドの4ピースロックバンド、Kodalineのニューアルバム「Coming Up for Air」の感想。前作「In A Perfect World」から1年8か月ぶりのリリースとなります。長期ツアーや数多く出演したフェスの合間に制作されたという今作ですが、プロデューサーには前作から続投のStefan Harrisに加えて、今回新たにSnow PatrolやRobbie Williamsらを手掛けたJacknife Leeを起用。今までのコーダラインには無かったシンセサウンドやゴリゴリのギターロックを取り入れ、彼らにとって新機軸を打ち出した作風へと仕上がっています。

1stシングルである疾走感に溢れたアンセミックなロックナンバー「Honest」、アルバムの2ndシングルである洗練されたミッドバラード「The One」、たゆたうような緩やかなサウンドと美しいメロディーが沁みるミッド「Autopilot」、パンキッシュで即興的なロックナンバーで新境地を聴かせる「Human Again」、アイルランド出身らしいケルト音楽の要素を感じさせるドラマティックで美しいバラード「Unclear」、Coldplayの「Hurts Like Heaven」を彷彿とさせるアップビートで弾けたエレクトロポップ「Coming Alive」、アルバム中一番エレクトロ色の強いダークな質感のシンセミッド「Lost」、8ビートのバンドサウンドにスティーヴのエモーショナルな歌が乗るロックナンバー「Ready」、コーダライン真骨頂の美メロが冴えわたる渾身のバラード「Better」、シンプルな音作りとコーラスワークで聴かせるバラード「Everything Works Out in the End」、挑発的な歌詞が新鮮なアグレッシヴなミッドロック「Play the Game」、アルバム本編ラストを飾るこれぞKodaline!と言うべき王道バラード「Love Will Set You Free」と、打ち込み音を取り入れたことによって、より洗練された音作りへと進化したアルバムとなっています。また、ボートラにはアンビエントな四つ打ちミッドで新境地を切り開く「Caught in the Middle」、シンプルなピアノ弾き語りバラード「War」「Moving On」、原曲のロッキッシュナイメージとは打って変わってしっとりとバラード調に聴かせる「Honest (Acoustic)」等が収録。

シンプルでオーガニックなバンドサウンド主体だった1stから打って変わって、シンセ等の打ち込み音が入ったり、逆に激しいギターをかき鳴らしてロック色を強く打ち出した楽曲があったりと、1st以上にサウンドに幅が出たアルバムですね。前作以上に壮大でスケール感が増していて、よりパワフルに攻めている印象で、特に「Human Again」「Ready」「Play the Game」みたいなロック色の強い楽曲や、エレクトロ寄りの「Coming Alive」「Lost」なんかのアップ群では彼らの新たな一面を見せてくれています。かと言えば、「Better」「Love Will Set You Free」などの1st寄りの楽曲もあったりして、あまり路線変更し過ぎず、上手くバランスの取れたアルバムになっているのではないでしょうか。シンセのキラキラした優しく儚い音が彼らの特徴である美メロとの相性がとても良くて、スティーヴの歌声との親和性も良い。打ち込み音を配したことによって、よりキャッチーかつ煌びやかなポップネスが注入されていて、1stとはまた違った魅力を持つアルバムに仕上がっていると思います。そういう意味ではColdplayの「Mylo Xyloto」に近い印象かな、と。まさに彼らの"進化"と"深化"、両方の成長を感じさせてくれる素晴らしいアルバム。これからも更なる彼らの成長を期待したいです。

5.3.15

Single Review Vol.22

Say Lou Lou - Nothing But a Heartbeat

スウェーデン/オーストラリア出身の美人双子姉妹、Say Lou Louの新曲。4月6日リリースのデビューアルバム「Lucid Dreaming」からの4thシングルです。前回の「Games for Girls」はハウス路線の曲で彼女らの新しい側面を垣間見れましたが、今回は「Julian」や「Everything We Touch」のようなSay Lou Louらしい耽美で壮大なスケールのエレクトロナンバー。澄んだ空気のようなアトモスフェリックな雰囲気に満ち溢れていて、とにかく溜息が出る位美しい曲。天高く舞い上がる様な浮遊感のあるサビが特に素晴らしい。何処か儚くて切なさを孕んでる所もツボです。今までのシングルはどれも気に入ってるし、アルバムの方も非常に楽しみにしています。