Label: Polydor
Tracklist:
-Disc.1-
01. Intro (Delirium)
02. Aftertaste
03. Something in the Way You Move
04. Keep On Dancin'
05. On My Mind
06. Around U
07. Codes
08. Holding On For Life
09. Love Me Like You Do
10. Don't Need Nobody
11. Don't Panic
12. We Can't Move to This
13. Army
14. Lost and Found
15. Devotion
16. Scream It Out
-Disc.2-
01. The Greatest *
02. I Do What I Love *
03. Paradise *
04. Winner *
05. Heal *
06. Outside (Calvin Harris Feat. Ellie Goulding) *
07. Powerful (Major Lazer Feat. Ellie Goulding & Tarrus Riley) **
08. Let It Die **
09. Two Years Ago **
"ゴル子"ことEllie Gouldingの3年ぶりのニューアルバム「Delirium」の感想。オリジナルアルバムとしては2012年発表の前作「Halcyon」以来のリリースとなります。3年と言うと結構なブランクが空いたように見えますが、その間にリパッケージ盤「Halcyon Days」や、シングル「Burn」「How Long Will I Love You」「Goodness Gracious」、映画のサントラ提供曲「Beating Heart」「Love Me Like You Do」などのヒット曲をコンスタントに出していたので、そんなに久々な感じはしませんね。
前作「Halcyon」と今作「Delirium」の"繋がり"を意味すると言う荘厳なイントロ「Intro (Delirium)」から始まり、アルバムのオープニングを飾る民謡風のコーラスが異国情緒感を醸し出す勇ましいアップナンバー「Aftertaste」、キャッチーで心躍る四つ打ちダンスチューン「Something in the Way You Move」、Ryan Tedderプロデュースのサイバーでチルアウトなダンスチューン「Keep On Dancin'」、アルバムからの1stシングルで"わあがちゅおままいん"のリフレインが癖になるR&Bテイストの「On My Mind」、Outkast風の近未来R&Bサウンドが聴けるアップナンバー「Around U」、Carly Rae JepsenやCHVRCHESの最新作にも入ってそうな80sテイストのキャッチーなエレクトロポップ「Codes」、ジャジーなビートとピアノ連弾が疾走感を放つアップ「Holding On For Life」、映画「Fifty Shades of Grey」の挿入歌として大ヒットしたパワーバラード「Love Me Like You Do」、サビで変拍子に変わる展開が面白いエレクトロチューン「Don't Need Nobody」、王道ながらも切なさを携えたポップチューン「Don't Panic」、弾けたビートといくつもの重ねられたサビのコーラスがカラフルに彩るアップナンバー「We Can't Move to This」、2ndシングルに決定された温かみのある美しいフォークバラード「Army」、前曲の雰囲気を受け継いだ8ビートのフォークポップ「Lost and Found」、フォークと2ステップが融合した独特の音作りと刹那的なメロディーが胸打つ「Devotion」、アルバム本編の大団円を飾るスタジアム栄えしそうな壮大なバラード「Scream It Out」と、ゴル子らしいポップでキャッチーなメロディーと独特のしなやかなヴォーカルスタイル、そしてバラエティに富んだジャンルレスなサウンドで攻めてくれます。
そしてデラックス・エディション(及びターゲット・エディション)収録のボーナストラックの方ですが、柔らかなタッチのポップソング「The Greatest」、M.I.A.やSantigold風の奇抜なトラック
Max MartinチームとGreg Kurstinが全面的に関わっている為、聴く前はトレンドを意識したポップアルバムになっているのかと思いきや、蓋を開けてみると意外にも独自の路線を突き詰めた内容でした。確かに全編キャッチーなんだけど、むしろ1stの頃の音楽性を思わせる独特のポップさで、個人的にはとても好印象。もちろん「On My Mind」みたいなトレンドど真ん中な路線の曲もあったりするけど、あくまでどの曲も"Ellie Gouldingらしさ"がきちんと備わっていて、決してセルアウトとは言わせないオリジナリティと高いクオリティを誇っている。そして同じ"ポップ"という括りでも、分かりやすくキャッチーでヒットポテンシャル高そうな曲から、1曲の中でコロコロ転調していく曲、ひねくれたメロディーの曲、はたまたインディー寄りのコアな曲まで、アルバム1枚の中で色とりどりのスタイルのポップミュージックを提示していて、聴いてて楽しいし飽きない。「Halcyon Days」のEDM路線や数多くの客演仕事を筆頭としたここ最近のジャンルを跨いだ活動も、このアルバムを作り上げるためのステップアップだったんじゃないかな、と。アーティスティックだけどどこか身の丈にあってないように感じた「Halcyon」みたいなオルタナ路線よりは、こういう素直なポップミュージックの方がゴル子らしいな、と思った次第です。セールスは思ったより著しくないようですが(UKでは同時発売のLittle Mixの新作に負けて初登場3位)、上手く